【血圧計】とは?
「血圧」とは、心臓から送り出される血液の流れが内側から血管を押す圧力のことで、心臓が収縮する時の血圧(最高血圧)、心臓が拡張する時の血圧(最低血圧)の2つの数値で示され、多くの疾病の診断に参照される、重要な生体情報のひとつである。
血圧計測は、従来、病院などの診察室で医師や看護師が測定していた。しかし、診察室では緊張して高い血圧となってしまう現象(白衣性高血圧)や診察室でのみ低い値を示す現象(仮面高血圧)等が知られるにつれ、1日を通じた血圧の変動に注目した診察が行われるようになってきた。特に、脳卒中と関連が深いと言われる早朝高血圧は、家庭での日常生活の中での血圧計測の重要性を示していると言える。
家庭で血圧を測定するためには「電子血圧計」が用いられる。電子血圧計の代表的な計測法は、カフと言われる腕帯を上腕などに巻き付け、このカフ内部の圧(カフ圧)をいったん上昇させて徐々に減圧させる間に、カフ圧と血圧の大小関係に応じた動脈の脈動を捉え、最高血圧と最低血圧を算出する方法で、その結果を、脈拍数とともに表示する。
現在、よく見られる電子血圧計は、腕帯を上腕に巻き付ける「上腕式」と手首に巻き付ける「手首式」に大別され、上腕式には、右上図のような、本体と一体化された腕帯部に、腕を入れる「全自動タイプ」と、より小型な「腕帯を上腕に巻き付ける」タイプとがある。これらの電子血圧計は、メモリ機能など自己測定自己管理に適した機能性能を備えており、近年では、パソコン等に接続し日々の計測結果をコンピューター上で管理することが可能となるソフトウェアも提供されるようになった。
ただし、自己測定で得られた家庭の測定値のみで自ら判断するのではなく、「家庭血圧値」を医師に提示して診断に供することが、より重要である。